『Roland SUPER CUBE-60 BASS の Markbass化計画』
おそらく最終形態。
1月頃に『Roland SUPER CUBE-60 BASS の Markbass化計画』を投稿したときに、フォロワーの方から、Markbass純正でもある『B&C』というイタリアのスピーカーのメーカーのユニットを譲ってくださる、と連絡をいただきました。
もう私は大喜びで、譲っていただきました。
ユニットを搭載する前に、幾つかの問題を乗り越える必要がありました。
その中で、もっとも難易度が高い問題は『いかに音圧を引き出すことができるのか?』という問題。
同じ12inchのユニットを搭載する、Markbass のアンプの出力は300W。
それに対して、SUPER CUBE-60 BASS の出力は60Wです。
電気的な力量の差は歴然です。
そうなると、あとはキャビネット(箱)の構造で音圧を稼ぐ以外に方法はありません。
そこで、バスレフ計算方式を使用してキャビネットに穴を開けて、ダクトを搭載します。
そして、B&Cのユニットを搭載して、試奏してみます。
Markbassのサウンド、出ています。
これまで、5人ほどの本職のベーシストにも試奏していただきましたが、全員に『Markbassのサウンド』を認定していただきました。
サウンドの決め手は、やはりB&Cだったと思います。
Markbassの独特な〈湿度を感じるサウンド〉は、B&Cがあってこそ成立するサウンドであることが確認できました。
Roland純正のFostexは、B&Cの対極なサウンドで、非常に乾いたサウンドを得意としています。
だから、いくら電気回路をMarkbassを意識して作り上げても、最終的にFostexを使用していては、Markbassのサウンドには辿り着けなかったのです。
当店としては、基本的に『コントラバスで使用したときに最適なサウンドを追求する』というコンセプトで機材の修理や改良を行なっています。
だから今回のような『Roland SUPER CUBE-60 BASS の Markbass化計画』という、コントラバスを完全無視したような調整は面白かったです。