前回投稿した記事について、
“そんな中心をくり抜いて立てられた駒は多いのか?”
という質問をいただきました。
残念ながら、あります。
当店は、駒を交換した場合、全てではないですが、そのまま廃棄せずに天井に吊るして保管しています。
小さな部品を製作するときに、古い駒を材料に使ったりするわけです。
その保管している駒の中から、目についたものを取り出しただけで、これだけの駒が足裏をくり抜かれています。
確認しやすいように、モノクロで撮影してみました。
駒の足裏の中心がくりぬかれていたり、刃物の跡が残っている駒も確認できます。
これらの駒は、ほとんど違う職人が作業しています。
どうも一人だけ、2つの駒を作業しているようです。
おそらく、全員がコントラバス職人だという事はなく、ヴァイオリン職人も混ざっていると思います。
これもまた、現在のコントラバス世界の現実です。
もちろん、このような事例は、あってはならない事ですし、撲滅しなければならない。
それと同時に、
“なぜ、職人のあいだで、このような行為が発生してしまったのか?”
ということも、考え続けなければならないように思います。