最近、ウルフトーンの相談が多く、オーナーから “ウルフトーンは消せない、というのが定説では?” という理由として、Wikipediaにある『演奏音と楽器の胴体の共振周波数が一致した時に発生する、原音の周波数を増幅/拡大した、持続し共鳴する人工的な倍音である』ということを、挙げられることが多いのですが・・・それは『原因』であって、『だから消せない。』という理由にはなりません。 『インフルエンザの原因はウィルス』ですが、ウィルスを退治すればインフルエンザは治ります。 今の時代、『インフルエンザの原因はウィルスですから、治りません。』とは、どの医者も言わないでしょう。 それは『治し方』を知っているからです。
『原因』と『対処』は違います。 『車が走りません。タイヤがパンクしています。』それなら『タイヤを交換するか、パンクを直しましょう。』そうすれば、問題なく走ることができます。 ウルフトーンを解消するということは、そういうことです。 原因が判っているのですから、対処するだけです。 それだけの話です。 “それは単に共振する振動が別の場所(音程)に移動するのでは?” との質問も受けますが、移動したら、また消すだけです。 最終的に、納まりの良い状態に、バランスを取るだけです。(楽器の個体差と向き合う、ということです。) それが、(あまり自分で言うのは好きではありませんが)『職人技』というものではないでしょうか? 大丈夫です。 寝る間も惜しんで、死ぬ気で必死に自分を追い込んで修練を積めば、誰にでもできる技術です。 少なくとも、私は、その道を歩んできました。 本来、職人とは、そういう生き物です。