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他店で取り付けたピックアップについて

 結局のところ『責任の所在は何処にあるのか?』ということになるのかと思われますが…

 

 先日も少し話題にしましたが、しばらく前から、他店で取り付けたピックアップの不具合(施工不良)の解消や、楽器のサウンド調整の依頼が少しずつ増えています。

 

 そのあたり、少し思考の交通整理をさせてください。

 

 しばらく前、当店は他店で購入されたピックアップマイクの取り付け(持ち込み)作業をお断りすることを宣言させていただきました。

 それは当時の投稿にもありますが、当店の利己的な都合ではなく『ピックアップマイクが初期不良だったさいの責任問題』という関係から、お断りすることにしました。

 

 その観点から考えても、他店で取り付けたピックアップの不具合(施工不良)の解消や、楽器のサウンド調整というものは、原則として、購入されたピップアップマイクの保証期間内は、購入・取り付けをした販売店(工房)でサポートを受けるようにお願いをしたいと存じます。

 

 

 以前から、他店で楽器を新品購入して数日後に当店での調整を依頼される方がいらっしゃいましたが、やはりそれは原則として最低でも1年間は購入店で調整をするべきだと考えます。

 というのも、コントラバスという楽器は春夏秋冬それぞれで状態が変化をするので、最低で1年、四季を乗り越えてから出ないと、その楽器の〈個性〉が読み取れません。

 やはり、その楽器の〈個性〉を使い手が知り、それまでは販売店がサポートをするのが本筋だと思います。

 

 

 YAMAHAのサイレントベースなどは、まさに保証期間が決められているのですから、原則、保証期間内は購入店でサポートを受けることが推奨されます。

 

 

“いやいや、保証なんて気にしないから、絃バス屋さんでお願いします” と言われることも多々ありますが、オーナー様が良くても、実は…私には相当のプレッシャーが掛かっています。

 当店は『金儲けができれば何でも良い』という経営方針ではないので、本来であれば受けたくない仕事です。

 

 

 保証期間内に、保障すべき販売店がサポートをしなければ、その文化はいつまで経っても成長しません。

 ピックアップマイクを取り付ける販売店が精度の悪い技術で適当に取り付けて、それを受け取った演奏家が “まぁ、絃バス屋に持ち込めばいいや” と当店に持ち込まれては、その販売店は、いつまで経っても技術的に成長もしないでしょう。

 

 

 当店は電気系な技術に対して圧倒的な高い技術を有しています。

 今更ここで隠したところで、嫌味なだけでしょう。

 しかしそれは私自身の技能の問題以上に、多くの演奏家の方々からの指摘や多くの議論の中で作り上げられ磨かれてきた技術です。

 だからこそ、多くの音楽の現場でなんの問題もなく使用できる調整技術に発展しました。

 

 それを踏まえ、やはりピックアップマイクなどの機材の保証期間内は、購入店で調整・サポートを依頼するようにしてください。

 

“それならば、YAMAHIKOを取り扱ってほしい。Realistを取り扱ってほしい” と言われることも多々ありますが、当店では、その予定はございません。

 当店は Wilson Pickup の代理店ではございますが、その Wilson も当店から取引を持ちかけたわけではありません。

 当店は基本的に販売店ではないので、積極的に何かを仕入れて販売するようなことは致しません。

 

 

 おそらく、このままでは何も変わりません。

 販売する側が責任を負おうとすることもなく、購入した側も販売店に責任を求めることもしなければ、何も変わりません。

 

 もっとも、もしかしたらこれは複数の楽器店を選べる関東圏だけの問題なのかもしれませんが、だからといっての地域性の話題だけにできる問題でもありません。

 

 

 

 

 とはいえ結局のところ、この問題は販売店がしっかりと調整・サポートをすれば多くの問題は解決できることなので、その責任の多くは販売店側にあるのは間違いないと断言できます。

 

 最後に再度書かせていだだきますが、他店で取り付けたピックアップの不具合(施工不良)の解消や、楽器のサウンド調整というものは、原則として、購入されたピップアップマイクの保証期間内は、購入・取り付けをした販売店(工房)でサポートを受けるようにお願いをしたいと存じます。

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