使い込まれたペグ(糸巻き)は、格好いい。
もう2年前の投稿になりますが、過去に『新品のペグのメッキを剥がしてみた。』という記事を書いたことがあります。
あの時は、時間をかけて磨き上げてメッキを剥がしましたが、今回はメッキ業者に新品のペグのメッキ剥離を依頼しました。
メッキを剥離した後に、薬品に漬け込んで、少し錆を付けます。
そうすることで、使い込んだような風合いが出てきます。
写真1枚目 通常のペグ
写真2枚目 メッキを剥離した状態
写真3枚目 薬品に漬け込んで、錆をつけた状態
写真4枚目 組み上げた完成品
今回は、薬品に漬け込む時間を少し短くして、数年間使い込んだような印象に仕上げてみました。
上手く仕上げられたと思います。
ここから実際に使い込むことで、もっと馴染んでいくと思います。
このペグの加工技術の開発は、実は切実な問題でもあります。
100年以上前に作られた楽器に使用されてきたペグが破損した場合、楽器の風合いと合わせたペグを付け替える必要があります。
そうなると、新品の楽器では合わないので、状態の良い古いペグで代用することがあります。
しかし、やはり古いペグでは故障のリスクが大きい。
そこで、新品のペグを、その楽器の生きてきた〈年齢〉に合わせた加工ができれば、古い楽器に新しいペグを装着できます。
以前の投稿でも少し触れましたが、私が Oriente での修行時代に、二代目と実験をしたことがありました。
先日、二代目と電話で話していた時にも『新品のペグを加工する方法』について話が盛り上がりました。
二代目の方でも、独自の研究を進めているようです。
コントラバスの世界は、まだまだ進化の余地があります。
いくら研究しても、終わりが見えません。
今回のペグ加工のサービスは、前向きに検討していきたいと思います。
価格などは、もうしばらくお待ちください。