先日、インターネットオークションや個人売買のサイトで当店の名前を利用して価格を釣り上げる行為をする人がいて困惑している、という記事を投稿しました。
その記事の中で『インターネットオークションに出品されている楽器の詳細を、当店に問い合わせをされることがあります』と書いた部分があります。
実は、この事例が最も多く、対応に苦慮しております。
電話での問い合わせが一番多い。
Oriente の古い型番の楽器の仕様や特徴、Chaki であったり、通常ではあまり考えられないような質問が多い場合、後々調べてみると、オークションに出品されている楽器だったりします。
さらに踏み込んで“今、〇〇で出品されている楽器について、どのように思われますか?”という具体的な質問の電話がかかってくることもあります。
一見すると、“そんなものは、すぐに断って電話を切るべきだ。”と思うわけですが、現状として、なかなかそう簡単に割り切れるものでもありません。
当店には日本全国から〈相談〉の電話やFacebookのmessengerを通して多く寄せられてきます。
それこそ九州であったり東北や北海道からも、〈相談〉をいただきます。
『楽器の調子が悪くなってしまったが、近くに弦楽器専門店がない』とか『〇〇のような音楽をやっているが、どんな弦を使用したら良いか』など、様々な相談が寄せられます。
相談を寄せられる多くの方々はFacebookのフォロワーです。
だから、少し世間話なども織り交ぜつつ、お話を聞かせていただいております。
でも極端な話、そのような遠方の方々の相談に乗っても、何か売り上げが上がるわけでもない。
構造としては、オークションに出品されている楽器に対する質問も、その他の相談も当店にとって『利益につながらない』という意味では同じなのです。
結局、このようなオークションの問い合わせに対しては、相手側(演奏者側)のモラルに任せるしかありません。
インターネットオークションに出品されている楽器の問い合わせも、他店で販売されている楽器に対する問い合わせも、当店の名前を利用して転売することも、結局、演奏者側のモラルに任せるしかない。
それらの事案(当店の利益につながらない案件)を、当店が拒否するとなると、そのほかの〈相談〉も拒否しなければなりません。
その対策として、当店のFacebookとHPの記事を全て削除して、今後は〈新入荷〉と〈営業時間変更〉以外の記事は投稿しないことになります。
普通に考えても、トヨタの新型車のことを日産に電話して問い合わせることは無いわけですから、特に私が難しいことを言っているわけではありません。
私自身、目先の利益を求めて仕事をしているわけでは無いので、そのような問い合わせは色々な意味で困惑します。
職人が演奏者を騙すようなことは言語道断ですが、演奏者もまた、個人の利益のために職人を〈利用〉することも思いとどまっていただきたい。
いつも申し上げます通り、演奏者とコントラバス職人は対等な立場であるべきだと考えます。
少なくとも当店は、そのような経営理念で運営しております。