『Morgenland Festival Osnabrueck 2019』という音楽イベントの演奏で、そのイベントの中から、ご紹介。
今回の映像に登場する楽器は3つ。 映像左側は、おそらくKanun(カーヌーン)というアラブ圏の民族楽器。 中央に、おそらく…Saz(サズ)という楽器の一種。 そして右側にクラリネット。 映像を観て気になるのは、やはりSaz(サズ)。 だって…ハムバッカー(Humbucker)ピックアップを2つも搭載していて、まるでレスポールギターのようです。 それがサウンドに全く違和感を感じさせない。 ハムバッカーという意味では、Al Di MeolaのWorld Sinfoniaを考えてみれば、それほど驚く事はないのかもしれませんが、Saz(サズ)にハムバッカーを搭載してしまう感性は、見事です。 こうやって伝統的な民族音楽や民族楽器に向き合う時、いつも現代のコントラバスの在り方と、コントラバスという楽器の未来について、思いを巡らします。 ただ単に時代のテクノロジーの上に乗るわけではなく、音楽の文化の変化と発展(進化)の中で、自然な形で時代のテクノロジーと融合していく。 そんな可能性を考えます。 悪い意味での、伝統。 悪い意味での、常識。 そんな悪しきものに縛られることがあってはならないのが、音楽。 〈音楽〉を縛るという事は、〈精神〉を縛るということと同義です。 良い意味で伝統を守りつつ、良い意味で、時代に合わせて向き合っていく。 私は、そんなコントラバス職人でありたいと願います。