『Phil Jones Bass Bass Cub』が嫌いだから改造するんじゃない。 好きすぎて、可愛すぎるからこそ、思わず改造してしまうのだよ。 というわけで、ついに Bass Cub のスピーカーユニットを換装する。 しばらく前から『Beyma(ベイマ)』という、スペインのメーカーのスピーカーユニットが気になっていて、当店の『GALLIEN-KRUEGER 200MB』に搭載してから、一気に好きになってしまって。 ある日、何気なく Beyma のHPを見ていたら、Bass Cub に使えそうなユニットが掲載されていて、Bass Cub を分解してオリジナルのユニットの大きさと比較をしてみたら、どうも使えそうだということに気が付きまして。 Bass Cub の出力が100Wに対して、このユニットの入力レベルは定格で150W・瞬間最大で300Wまで耐えられるので、合格。 ユニットのフレームの大きさも、Bass Cub のオリジナルと、ほとんど変わらない。 Bass Cub のオリジナルよりも、4mmほど直径の大きな穴を開けなければならないが、そこは一応、木工職人なので問題ない。 そして、今回、このユニットを使用する決断の一番大きなことは『ネジ穴の位置が全く同じ』と言うこと。 これ、意外と重要なことで、ネジ穴の位置が違うと、一度キャビネットのネジ穴を埋めて、また開け直す必要があるので、手間がかかってしまいます。 “Beymaの音質も、耐入力のレベルの問題もクリア、取り付けが可能だと来れば、チャレンジしないわけには、いかない。” と、発注をしたものの、今回もスペインから送られてくるので、1ヶ月待ち。 そして、今日。 本日届くことはわかっていたので、昨日のうちに修理の納期の近い楽器の作業は終えてあり、朝一番に届いたと同時に換装作業開始。 材木加工も思ったほど手間ではなかったので、意外と短時間で換装完了。 さて、音を出してみます。 えぇ、想像以上に凄いです。 先日の改造で、キャビネットのバスレフで 90Hz あたりを増幅していますが、今回のユニットはデータシート(解析グラフ)で確認をすると 100Hz~90Hz あたりから音量が減衰を始めているので、ちょうど良い具合にユニットとキャビネットの調整のバランスが良く、おそらく 70Hz ぐらいまでは安定して出力されており、聴覚的にも妙な具合で低音が膨らむ感じもありません。 高音域は、このユニットの特性は公称で 10kHz ですが、何も 10kHz でバシッと高音域がカットされているわけではなく『10kHz あたりから減衰を始めますよ』という意味なので、これもデータシート(解析グラフ)で確認してみると、実際のところは 15kHz ぐらいまでなら問題なく出ているでしょうし、再生能力という意味では 20kHz 付近まで出力しているかもしれません。 そのため、非常に安定した高音域を再生できるので、変に耳が痛くなるような高音域は出てきません。 “むふふ。これは非常に良い!” と一人で喜んでいたところに、常連さん、ご来店。 あれやこれや、意見交換。 これまで、Facebookの記事でも(特に電気系の)技術ネタの多くは『作ってみたけど販売予定なし』ということがありますが、 “この技術は、提供すべきだ。” ということで、今回の、このユニット交換サービスは正式なものとして、絃バス屋で依頼を受けることにしました。 具体的な金額はまだ発表できませんが、ただ・・・『Phil Jones Bass Bass Cub』を、もう1台購入するぐらいの価格(費用)は、覚悟していただきたいです。 それと、キャビネット内部の吸音材の交換や、電源のノイズフィルターの取り付けは別価格なので、そのあたりも追加をすると、価格は上がってきます。 ただ、今回の仕上がりは、それだけの価値を提供できると感じて、サービス開始に踏み切ります。 それと、今回はユニットのマグネットは一般的なフェライトを使用しましたが、軽量のネオジウムのユニットを使用すると、価格は変わってきます。 ユニットの重さの比較をすると・・・
BassCub オリジナル 520g ×2 Beyma フェライト 2190g ×2 Beyma ネオジウム 1200g ×2 ということで、オリジナルと比較をするとアンプ全体の重量として、『フェライト 3340g増』になり『ネオジウム 1360g増』になります。 そのあたり、この重量を許容範囲と認めるか、認めないか・・・という問題は残ります。