1970年代のストロボチューナー を手に入れる。
『CONN ST-11』という、もう初めに私はデザインで気に入ってしまいましたが、けっこう有名な機種のようです。
普段は小さなクリップ式のチューナーを使用しているのですが、作業をしてると、よく紛失して右往左往としてしまうので、
“思い切って、据え置き型のチューナーを設置するか・・・。”
と、しばらく前から考えていました。
当店で使用しているクリップ式のチューナーは、PETERSON のストロボチューナー (旧型)で、“どうせなら、据え置き型もストロボ式で。” と色々と探して、これ。
常設するのに、最新鋭のデジタルチューナーとかは、店の雰囲気的に合わないと思いましたので。
もう40年も前に製造されたチューナーですが、さすが『銘器(めいき)』と言われるだけあって、ネット上にはマニュアル(取扱説明書)も内部の回路図(マニュアルに添付されていた)まで公開されています。
そこで確認をしてみると・・・動作環境『120V 60Hz』と書かれています・・・“ん?! 60Hz?!!” と目を疑います。
そう・・・電気の周波数は西日本であれば『60Hz』ですが、ここ埼玉県所沢市のある東日本は『50Hz』です。
日本国内の電圧は『100V』で、このチューナーは『120V』ですが、まぁ盛大に電気を使用する機材でもないので、そこは問題ないのですが、周波数の違いは大問題。 何とすれば『50Hz』と『60Hz』ではモーターの回転数が変わってしまいます。
モーターで円盤を回して表示をさせるチューナーにとって、モーターの回転数が不安定ということは致命的です。
さて、そこで周波数を『50Hzから60Hz』に変換させる必要が出てきます。
一般的には『インバーター』という機械を使用して周波数を変換します。
しかし、このインバーターは軽く数万円の費用がかかります。
さすがに、そこまでの費用はかけられません。
考えに考えます。
ふと思いつきます。
“車載用の電源って、50Hzと60Hzの切り替えがあったような・・・。”
探してみると、自動車のシガーソケットから、100Vのコンセントに変換させる機械が数千円で販売されています。 予想通り、50Hzと60Hzの切り替えも可能です。
次に、『家庭用100V(コンセント)から、自動車のシガーソケット(12V)に変換するアダプター』を見つけ出します。
結果的に、家庭用100V(50Hz)→車載用12V(50Hz)→家庭用100V(60Hz)→ストロボチューナー (60Hz)と電源を変換・接続することで、動作を安定させています。
もう、パズルのように面倒くさいですね。
100Vを一度12Vに降圧してから、また100Vに昇圧という・・・。
このチューナーは内蔵マイクなどは無いので、外部マイクを使用するか、楽器のピックアップマイクから接続しなければなりません。
外部マイクは CONN の純正品がありましたので、あとはマイクスタンドを調達してこようかな、と。
非常に面倒くさいチューナーではありますが、実際に使ってみると、恐ろしく精度が高いく、日頃からストロボチューナー というものに慣れていると、調音作業自体は非常に楽にできます。
これだけ精度が高いと、エレキベースのオクターブ調整などにも活用できそうです。