昨年末、実は2021年からは、技術的な解説記事の投稿はやめようと思っていました。〈雑感〉や日常的な話も無く、“新入荷!”という告知のみ。
実際、その準備期間として、当店のHPのコラムの更新は昨年10月以降止まっていました。
当店の店名を広めるための役割は充分に果たしたのではないか?
HPのコラムに保存してある記事だけでも、充分な情報量ではないか?
と考えたわけです。
記事を書く労力に比べると、たいして売り上げには貢献していませんし、特にフォロワーが劇的に増えるわけでもない。
ビジネスモデルとして考えると、非常に非効率的で生産性がない、と言われるかと思われます。
(いつも、ダラダラ好き勝手に書いているように思われるかもしれませんが、かなり神経を使って文章を構築しています。)
そのようなことを考えながらも、気がつけば、いつも通りなのですが…。
何が不満なのかというと、先日の投稿にも書きましたが、コントラバス業界というものが歪んでいる。
演奏者と職人の関係性が健全ではない。
もう『負の連鎖』が始まっている状況。
非常にわかりやすい例が『ウルフトーン』でしょうか。
先人の演奏家たちがコントラバスのウルフトーンで悩んできた。
でも職人たちは何も技術で対処をしなかった。
“ウルフキラーをつけましょう。”
“魂柱を少し動かしてみましょう。”
とやっても〈結果〉は出てこなかった。
結局、〈結果〉が出せなかったのだから、何もしていないのと同義。
そのうち、先人の演奏家たちは、自分たちの演奏技術でウルフトーンを対処するようになる。
すなわち、演奏者がコントラバス職人に期待をしなくなった。
そして現在、その『ウルフトーンは自らの演奏技術で対処しましょう。』という価値観が、若い世代に〈指導〉という形で受け継がれています。
だから、多くの若いコントラバス奏者は、コントラバス職人にウルフトーンの解消を求めない。
『弦4本の音色が揃わない』も同じく。
『楽器の響きは演奏技術で得るもの』という価値観も同じく。
『ピックアップを使用した際のサウンドの変化(劣化)に対する対策』が無いのも同じく。
結局『コントラバス演奏家はコントラバス職人を信用しない』という文化が構築されつつあるという、事実。
そのような世の中の流れの中で、
“今更、こんな記事は必要か?(需要があるのか?)”
と、感じるわけですね。
私は別に、コントラバス業界を牽引しようなんて思っていません。
そんなことは、意識の高い人がやればいい。
私は、私の手の届く範囲で、やれば良い。
…と、まぁ色々と考えていました。
色々と考えたのですが…気がついたら、年明けの一発目から、いつもと同じような投稿をしてしまったので、継続となりました。
でもまぁ、当店が開業をしてもうすぐ6年になりますが、当店に来店いただいている演奏家たちとは『コントラバス職人と演奏家の在り方(関係性)』について、日頃から多くの議論ができるようになりました。
私のFacebookでの投稿から派生して議論になることも多々ありますし、そう考えると、投稿の一定の価値もあるのかな、と感じます。
でも、あまり期待をしないでください。