ここ最近、ネタが難しすぎる・・・という声をいただくことが幾らかありまして、個人的には、それほど難しい記事を書いているつもりはないのですが、日々のネタの積み重ねで、どんどん専門的な方向に進んでしまっているのかな・・・と思います。 できるだけ、(コントラバス奏者に限らず)誰にでも楽しく読んでいただけるように、努力はしているのですが(・・・わからないことは積極的にコメントをいただけると、参考になります)。
コントラバスという楽器は、その楽器自体も、その調整方法も、電気系の周辺機材も、とにかく研究が未発達で中途半端なことが多く、だから、ほんの少し掘り下げるだけで、難解な世界の扉が開いてしまう。 最近まで『ウルフトーンは消せない』が定説だったのですから。
この(難解な世界の扉が開いてしまう)事態を『職人の不勉強と怠慢』と言ってしまえば、それは間違いない不動の事実なわけですが、コントラバスを取り巻く環境の技術の進化と、演奏者がコントラバスに求めるものが急激に高くなってきたという要因もあるのかな、と思います。 まぁ、間違いなく『職人の不勉強と怠慢』が最大の要因ですが。 いつもいつも、私の中には “自分は、いつか〈時代〉に取り残されてしまうのではないか?” という思いが心の底にあって、だからといって焦っているわけでも不安があるわけでもないのですが、そのような思いがある以上、〈時代〉を見極めて、〈時代〉に迎合することなく、それでも的確に、道を歩んでいく必要があります。 コントラバス職人が楽器を作れるのは当たり前ですし、修理できるのも当たり前で、それを偉そうに自慢してみたところで、それでは〈時代〉に取り残されてしまうだけです。 『車の運転できないタクシードライバー』は存在しないのですから、当たり前のことを偉そうに発表しても、それは己の慢心を、自ら世の中に晒け出しているだけです。 もはや、その〈感性〉が時代遅れなのですね。 今は、そういう時代では無い。 ここ最近の電気系の記事にしても、本質に『コントラバスという楽器を適切に調整できる技術』があって、その上でコントラバス周辺機器の、いわゆる電気系の技術の話です。 (私自身が)ここを間違えると、何も〈答え〉は出せません。 『型破り』は『型』(または『形』)があって、初めて『破る』が成立するわけで、『型・形』が無いのは『型なし・形なし』であって、全くの別物です。 実際にところ、何かを仕入れて『新入荷!・新入荷!』と言っている方が楽です。 職人としての『型』が必要ないので。 しかし、新入荷のネタなどは、当店に求められていないことは、自覚していますし、そもそもが現代のコントラバス専門店に求められていることは、すでにネット上で手垢のついたような古い情報の再発信ではなく、『現代に使える、新しくも本物の情報』を得られる場所であることです。 確かな技術と理論と責任の伴った、本物の情報。 それには、日々の研究と、技術の研鑽が必要です。 だからといって、いくら情報発信だと、読み手が理解できないような書き方をしても全く意味の無いわけで、そのあたり、もう少し解りやすくネタを書き上げる努力の必要があるのかなぁ・・・と考えています。 ちなみに、最近、コントラバス本体の技術的なネタが少ないのは、幾つかネタの候補はあるのですが、どれも文章にすると難しすぎて難解になってしまうので、試行錯誤している途中です。 そのうち、おそらく公開します。