コントラバスのピックアップ・マイクを使用される方なら、おそらくご存知『山彦』のピックアップを取り付けた際の、楽器の調整の話。 『山彦』はコントラバス界では有名ですね。 弦高を調整する部品、『アジャスター』にマイクを組み込んだという、あのピックアップマイクです。 https://www.yamahiko.info/products/doublebass
先日、山彦を取り付けさせていただいた常連さんと話をしていた時に、 “『どうも山彦ってG線(1弦=細い弦)の音が、E線(4弦=太い弦)の音よりも細くなって、音のバランスを取るのが難しい。』って、周囲のベーシストの間で話題になっていて・・・。” という話題になりました。 そこで、通常の楽器の駒の調整であれば、弦の振動は基本的に駒の4弦側の足(写真・正面から見て左側の足)に落とし込むのですが、 “YAMAHAのサイレントベースなんかの調整の時に『あえて弦振動を1弦側に流す』って調整方法があるけど、やってみます?” と、G線の振動を通常とは反対側の足にも多く流れ込むように、駒を削ります。 YAMAHAのサイレントベースは一般のコントラバスとは駒の振動の仕方が違うので、私は駒の調整方法も少し方法を変えているわけで、あえて、その方法を試して見ます。 すると・・・ “おぉ〜。G線の音が太くなった。” と、二人で大喜び。
“これって、もしかしたらE線の振動も反対側に流し込んだら、あの『もわっ』とした感じが薄くなるんじゃない?” と、今度は1番太い4弦の振動を、普段と反対側にも振り分けます。 “ほれ。予想通り、低音の音抜けが良くなった。” と、これまた二人で大喜び。 なるほど。山彦のピックアップ・マイクは、弦の振動を、的確に左右の足のピックアップに分散して落とし込んでやると、非常にバランスも良く明瞭なサウンドになるようです。 山彦のピックアップを取り付ける際には、一緒に(山彦のピックアップに合わせた)楽器の調整も行ったほうが、ピックアップの特性を良く引き出せるかと思います。