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2020年12月29日に書いた記事

  • gen-bassya2015
  • 2021年10月14日
  • 読了時間: 3分

コントラバス業界の未来。  そんなことを考えた1年でした。  まだ、今年の業務は終了していませんが。    新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で、物事を考える時間を多く確保できたことは、有意義だったと思います。     “コントラバス業界の未来は明るいのか?”  そんなことは、よく考えました。    私は演奏家では無いので、演奏家の視点でコントラバスの世界を見ることはできませんが、コントラバス職人の視点でコントラバスの世界を見たときに、決して明るい未来が見えているわけではない。    商業的な側面は別にして、『コントラバスの文化』というものに目を向けたときに、文化の衰退の影は明確に見えています。    結局、それに気がついていない職人が多い。     “『伝統』という言葉に、もはや落とせないほどに手垢がついた。”  そんなことも、考えました。  〈伝統〉とは〈継承〉です。  〈継承〉がなければ〈伝統〉も無い。    〈伝統〉における〈継承〉とは、次世代にまた〈継承〉させることが前提で、〈受ける〉だけで終わるものでは無い。      そのような『伝統の構図』を理解できない、理解しようとしない職人が増えたように感じます。        おそらく、私は古い時代の価値観の最後の職人ですから、今の世の中の価値観の尺度で考えれば、私が間違っている。    おそらく、私のような職人は、どんどん淘汰されていくでしょう。        時代の流れというものがあって、それが〈文化〉というものを形成します。    そう考えると、時代遅れ。  私のような古い職人の存在は、なにをやっても負け戦。      ただ、私の考えとしては、コントラバスという楽器の本質は、〈伝統〉と〈継承〉の中にあるべきだと思います。       “〈伝統〉も〈継承〉も〈革新〉も無い。”  それが、現代のコントラバス業界だと思います。    『新製品』は登場しても、大きな技術的革新は無い。

     電気的な機材に関しても、販売するだけで、調整も修理もできない。  Wilsonも、YAMAHIKOも、Underwoodも、1980年代から市場に出回っているわけで、もう40年前から使われています。    あの頃から、職人の知識と技術は進歩しているのでしょうか?        販売するだけであるなら、誰にでもできる。  コントラバス職人を自称する必要もない。  それは電気系の機材にしても、コントラバスにしても同じこと。      インターネット上にある記事も、本職でさえ、どこからか記事をコピーして、貼り付けて、さも自分の意見かのように語る。  それこそ、その楽器の仕様が記事と現物が間違っていても、確認もせずに売りつける。    技術論も、職人が自らの技術で確認もせずに、確信を持って語る。        さて、このまま突き進んでも、コントラバスの文化の繁栄は見えない。  そう感じるのは、私だけですか?      一年の総括の記事の前に、マイナス思考を書き込んでみました。

雑感・コントラバス職人の役割

“その問題は演奏者側にあるのか、それとも楽器側にあるのか?” それを聴き分けるのも、職人の仕事。 お客様にお誘いいただいて、お客様の演奏会に行ったとき…それは仕事半分、遊び半分。 “いやいや、良い演奏会だった” と浸っている(ひたっている)だけではダメで、そのお客様の楽器を...

 
 

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