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ORIENTE HB-35
『HB-35』は、これまでの『HO-30』の後継ということなので、まず『HO-30』の解説をさせてください。
『HO-30』は『HO-38(現HB-45)』の廉価版として開発されました。
『HO-38』のボディは、全て単板(本物の木)を使用していましたが、その品質、特に〈音質〉を維持しつつもコストダウンできないかと研究した上で登場したのが『HO-30』です。
『HO-30』及び、その後継となる『HB-35』はボディの横板の材質に合板を使用しています。
材質が違えば音質が変わってくるのは当然ですが、私がオリエンテで製作をしていた時は、『HO-38』と『HO-30』では、表と裏の板、それぞれに板の厚みを出す削り具合を微妙に変えて、『HO-38』と『HO-30』の音質の差をギリギリまで少なくするような努力をしてきました。
だから、現在のオリエンテの型番でいえば、『HB-35』と『HB-45』で音質が殆ど違わないのは、職人たちの努力の結果です。
『HB-35』には、親方である東澄雄(ひがし・すみお)がオリエンテを立ち上げた頃、安くて品質の良いコントラバスを日本に普及させたいという強い意志で世に出された『HO-30』の思いが、今も受け継がれています。
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