技術的なこと紙ヤスリから見る伝統の継承“これが新品。そして、そちらが……” “ゴミ?” “いやいや、使い古されてゴミのように見えるけど、それはまだまだ使えるの” 私は親方から『コントラバスの作り方』は教わったことがありません。全て、見て真似て、失敗したら叱られる。それを繰り返して覚える。そのような教育方針でした...
職人として楽器の容積は測れるのか?職人同士の会話は、時にとんでもない方向に飛躍をする。 Orienteの二代目と電話で話していて、要件が済んだ後には、いつも雑談となる。 雑談といっても、その内容は、ほとんどが技術論。 ふと『楽器内部の容積を、どうやったら測れるのか?』という話題になる。...
職人としてこの仕事は、趣味ではないので…先週、ちょいと無理をしすぎたせいで、左目を痛めてしまいまして。 だいぶ回復をしてきましたが、まだ目の奥の鈍痛が抜けないので休養をしている感じです。 以前にも幾度か紹介していますが、刃物を使う職人は右手に刃物を持つ場合、刃先を見るのは左目です。...
技術的なこと古い機材先日、1930年代だと思われる、古いレンズを手に入れました。 焦点距離が90mm・絞り開放f=4.5という、いわゆる中望遠レンズといったところでしょうか? まぁ、この年代となると、その当時は『中望遠レンズ』という概念すら無かったと思いますが…。...
職人として音楽を学び続ける一眼レフカメラで動画を撮影しつつ、スマートフォンでも動画を撮影する。 これも愛情のかたち。 先日の、高校生の娘の所属する吹奏楽部の定期演奏会にて。 私は自分の子供たちの演奏の映像を撮影することは、ほとんどありません。 数枚の写真を撮って、あとは聴く。...
その他文章力近頃、気になっていることが幾つか。 その一つが“私の文章力は落ちているのではないか?”ということ。 最近、自分としては、どうも書き上げる文章が雑になっているように感じることがあって、“これは修正が必要だ。”と思い、久しぶりに池波正太郎を読み直し始めています。...
職人として停滞は文化の終焉の始まり私が職人を始めて約30年になりますが、30年前と現在で、果たしてコントラバスの調整技術というものは、どれほど進化してきたのか? そう考えた時に“実は、大して進化してこなかった。”ということに気が付きます。 そう、実は大して進化していない。...
職人として弟子になる弟子になる。 私の中で、親方である東澄雄から“より多くのものを学びたい。”と願うようになったのは、おそらく職人を始めて10年ぐらい経った頃です。 だから、いわゆる〈弟子〉のようなものになるまでに、10年かかっています。 よく申しあげますように、私は日本のコントラバス...
職人としてこれは終わりの始まりか?卵が先か?鶏が先か? 物事の起源が曖昧な時に使われる言葉。 もう何ヶ月も前の話ですが、職人仲間と話をしていたときの話題。 とある弦楽器職人が言ったそうな。 “ウルフトーンは楽器が良く鳴っている証拠だから、無理に消さなくていいんだ。それは演奏家が演奏技術で対処すれば良い。”...
職人として文化の変化先日、大学生の娘が“アルバイトの給料が入った。”と話すので金額を聞いてみたら、私の初任給の方が、ずっと安かった。 というところから、話題を進めてみます。 当時の私の月給は、ちょっとネットで調べてみると、その当時の京都の法定の最低賃金よりも安かった…。...